TIDAL(Tidal Finance)とは
Tidal Financeとはいったいどんな仮想通貨なのでしょうか?
まずは概要から見ていきます。
通貨名 | Tidal Finance |
シンボル | TIDAL |
価格(2022年7月) | $0.00034447 |
時価総額(2022年7月) | $2,002,694 |
時価総額ランキング(2022年7月) | 1523位 |
総発行枚数 | 19,838,000,001枚 |
流通している発行枚数(2022年7月) | 5,763,883,317枚 |
公式サイト | https://tidal.finance |
https://twitter.com/tidaldefi | |
ホワイトペーパー | https://docs.tidal.finance/whitepaper |
Tidal FinanceはDeFi(分散型金融)における保険マーケットプレイスを提供するプロジェクトです。
スマートコントラクトが用いられるDeFiはまだまだ発展途上です。
そのためラグプルやハッキング被害が問題になっていて、常に資産を失うリスクと隣合わせになっています。
Tidal Financeは上記のような問題を解決することを目的に立ち上がりました。
Tidal Financeは保険金を提供することで。ハッキングリスクやスマートコントラクトの悪用からDeFiユーザーの資産を守ることができます。
また、現在のDeFi市場に預けられている全体資産に対して、保険でカバーできる金額が少なすぎることが指摘されています。
Tidal Financeはこのギャップを小さくして、保険でより多くの被害額をカバーできる技術を取り入れています。
暗号通貨市場ではLUNA/USTのような大事件が起こったり、他にも小さな悪いニュースが度々出ています。
そのような悪いニュースを見て「暗号通貨とかDeFiってやっぱり怖いな」と感じ、DeFiへの参入をやめてしまう人もいるでしょう。
しかし、Tidal Financeのような保険プロジェクトが成功することで、怖がっているDeFiユーザーの不安をなくせます。
このように、ハッキングリスクへの対策が進むことでDeFiがさらに活発化し、DeFi全体のユーザーを増やせることに繋がるでしょう。
TIDAL(Tidal Finance)の特徴
Tidal Financeの特徴は以下の2つです。
資本効率が高い
ネットワーク内の4つの役割
それぞれ詳しく見ていきます。
資本効率が高い
Tidal Financeは「Nexus mutual」といった他のプロジェクトと比べて資本効率が高いです。
理由は2つあり、以下のとおりです。
複数のプロトコルを同時に保証するために資金を同じプールに入れていること
リスクの度合いに応じて「低・中・高」の3つのプールを用意していること
まずは以下の画像を見てください。
右下のオレンジ色の枠内に複数のプロトコルがまとめられているのがわかりますね。
そしてオレンジの枠内に「reserve provider(準備金提供者) 」と「Guarantor(保証人)」が資金を提供します。
なぜこのように一つのプールにまとめられているのでしょうか?
それは個人ベースのPeer to Peerのマッチングプラットフォームは非常に効率が悪いからです。
仮に1ドルの保険を一人に対して売る場合だと、保険金提供者は資産を失うリスクがあるのに対して、リターンがあまりにも少なすぎます。
そこで一人ではなく数十人に売って、保険金を同じプール内にためておくことで資本は効率的に集まり、被害へのカバー額も十分に確保できるというわけです。
また、プールには「低・中・高」の3つの種類に分けられています。
選択肢を増やすことで、ユーザーのリスク許容度に応じた資金提供ができるようになっていますね。
このように、複数のプロトコルを一つにまとめて運用し、プールの選択肢を増やしているので資本効率が高くなっています。
ネットワーク内の4つの役割
次にネットワーク内での4種類のユーザーの役割を説明します。
Reserve Provider(準備金提供者)
Guarantor(保証人)
TIDAL Staking Pool
Cover Buyer(保険購入者)
それぞれ詳しく見ていきます。
Reserve Provider(準備金提供者)
準備金提供者は提案されたプロトコルをまとめたプールに、自分の資金を提供している人のことです。
保険が必要な事故が起こったときの資金を提供するかわりに、その資本に対して保険料を得られます。
準備金提供者は自分の好きなプロトコルをカスタマイズして選べるうえ、保険購入者のプレミアム90%+TIDALトークンを受け取れます。
しかし、DeFiには過去のデータ不足と様々なハッキングリスクがあるため、準備金提供者はかなりのリスクを負うことになります。
そのリスクをカバーするため、前述したプレミアム90%とTIDALトークンに加え、Guarantor(保証人)とTIDAL Staking Poolから資金を回収し、補填するよう設計されています。
Guarantor(保証人)
保証人は、ハッキング被害に発生したとき準備金提供者に対する担保の役割を持ちます。
保証されたプロトコルに対して支払われたプレミアムのうち5%+TIDALトークンを得るかわりに、ハッキング被害が発生したとき準備金提供者に資金を提供します。
準備金提供者と同じようにプールの中に資金を預け入れますが、これは準備金提供者のための資金です。
よりリスクを負っている準備金提供者の資金を健全なレベルに保つことを目的にしています。
TIDAL Staking Pool
Tidal Financeに対してTIDALトークンをステークすることで、新たにTIDALトークンを得られます。
しかし、ただステークするだけではなくリスクもあります。
それは保険の対象となるハッキング被害が発生した場合、このステーキングプールから準備金提供者に対して資金を提供しなければいけないということです。
内訳としては「$10万または請求可能額の10%」が提供されるわけですが、もらえるインセンティブとリスクを天秤にかけ、よく考える必要があるでしょう。
Cover Buyer(保険購入者)
Tidal Financeが提供している保険に加入する人たちのことです。
ハッキング被害が確認されれば、通常2週間以内に保険が適応されます。
しかし、保険購入者にもリスクがあります。
提供された資金は複数のプロトコルで共有されているため、一週間といった短期間でハッキング被害が多発した場合、運営によって支払い優先順位が決められてしまいます。
通常はハッキングが発生した順番で支払われるようです。
TIDAL(Tidal Finance)の価格推移
これまでTIDALの価格はどのように推移してきたのでしょうか。
以下の順番で見ていきます。
TIDALの全期間チャート
2021年までの値動き【チャート】
2022年の価格動向【チャート】
まずはTIDALの全期間のチャートから見ていきましょう。
TIDAL(Tidal Finance)の全期間チャートを確認
上図は2021年3月25日〜2022年7月17日のチャートになります。
TIDALの最高値は2021年3月25日の$0.056760です。
上場から下落し少し値を戻した後なだらかにまた下落しています。
現在に至るまで値動きにほぼ変化は見られませんね。
2021年までの値動き【チャート】
上図は2021年3月25日〜2021年12月30日のチャートになります。
上場したときがそのまま最高値になっています。
アルトコインによくあるチャートの形で、2ヶ月足らずでほぼ底まで下落しています。
2021年11月に取引高が急に高くなり、価格が少しだけ上がっていますが、前と同じ価格帯まで下がっています。
2022年の価格動向【チャート】
上図は2022年1月1日〜2022年7月17日のチャートになります。
年初の価格は$0.0037だったのに対し、現在は$0.00037とほぼ10分の1まで下落していますね。
TIDAL(Tidal Finance)の強み/弱み
Tidal Financeの強みと弱みは以下の通りです。
強み:資本効率が高い
弱み:準備金提供のリスクが高い
それぞれ見ていきます。
強み:資本効率が高い
Tidal Financeの強みは資本効率が高いことです。
提供者の資金を一つにまとめ、複数のプロトコルに対応する設計なので「Nexus mutual」などと比べ効率的に運用できます。
これにより資金を提供してくれるユーザーに対してリターンを最大化できるため、新たなユーザーを呼び込みやすくなります。
弱み:準備金提供者のリスクが高い
Tidal Financeの弱みは準備金提供者のリスクが高いことです。
DeFi市場でハッキングが発生しなければ、準備金提供者は安定的にインセンティブを得られますが、仮にハッキングが多発したとき大きく損害を被ってしまいます。
DeFiではハッキングによる悪いニュースが未だに絶えないため、リスクをよく理解して資金提供しなければならないでしょう。
TIDAL(Tidal Finance)の今後の見通し/将来性
Tidal Financeの将来性ですが、価格が上がる可能性は少なくともあると私は考えています。
前述したとおり、DeFi市場はまだまだ発展途上であり、自分の資産を失うリスクが常にあります。
このような不安を抱えるDeFiユーザーが安心してDeFiで資産を運用していくためには、Tidal Financeのような保険サービスの充実が必要不可欠です。
ハッキングリスクやバグから資産を保護し続け、保険の重要性を発信し続けることで、Tidal Financeの価値は上がっていくことでしょう。
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